フロックス
「この部屋はお前の部屋だから。」
「あ、はい。」
こんな広い部屋が?
「家具と服は…また買いに行くか?」
「あ、はい!社長と?」
「あぁ。それと社長はやめろ。」
「あ…東郷さん?」
「ちがう…莱輝でいい。」
「…莱輝さん?」
「あぁ。」
「じゃぁ、私も!にちかって呼んで下さい!」
「………わかった、にちか。」
そぅ私を呼ぶ声が優しくて……また泣きたくなった。
どうしてかわからない…
彼はどこか寂しそうで…悲しい。