フロックス



「綺麗なんて男に言うな…それと…素直すぎだ。」



と言った莱輝さんは真っ赤で可愛かった。



「くすっ。」



「笑うな!」



「…ありがとうございます。」



「え?」



「本当は婚約者なんかにしなくても良かったのに…私を婚約者なんて形だけでも良い立場で向かえてくれて……私が事故を起こしたのに…嘘をついて…父に会社をまた任せてくれて…本当にありがとうございます。」



「…………」



「こんな良くしてくれて、ありがとうございます。」



「そんなことない。」



「え?」



「俺の気まぐれだ。いつにちかを追い出すかわからない。」



そう言った莱輝さんは下を向いてたけど…耳が赤かったから…たぶん照れてたんだと思う。



不器用だけど優しい…



この人は…本当に…優しい人。






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