likeとloveの往復切符
あ、電話なってる。
部屋でさゆりとの交換ノートを書いていたあたしは、電話の音に気がついた。
ガチャ
「もしもし~」
お母さんが出たみたいだった。
でも、声が変わってるってことはしらないひとかな。
コンコン
そんなことを考えていると、あたしの部屋のドアがノックされた。
「何~??」
「谷本先生から電話よ。」
お母さんが部屋の中に入ってきて、そう言った。
谷本…?
なんの用だよ!?
あたしなんか悪いことでもした??
「子機は??」
あたしはお母さんに手のひらを差し出して聞いた。
「子機ぢゃないよ。」
って言われてもね。
「はぁ~子機でとってよねぇ!!」
あたしは重い腰を上げ、親機へと向かう。
「聞こえちゃうでしょ!!」
そう言ってお母さんがあたしの腕を叩いた。
軽くだけど、でも痛ぇよ!
塚、聞こえるなら保留にしとけ。
心の中でぶつぶつ思いつつ、受話器を取った。
「もしもし」
あ~何か怒られんのかなぁ~
「あ、こんばんわぁ~」
「こんばんわー」
あたしもしぶしぶあいさつした。
何なの用件は??
「なんか、未沙の机の中にキャンパスのピンクのノート入ってたんだけど、授業のノートだったら大変かな~と思ってさ。」
なんだそんなことかよ。
と、思ったと同時にあたしの頭の中は真っ白になった。
なぜなら、そのピンクのノートはクラスが離れてしまったみなみと恵那との交換ノートだったから。
「あ、あのーそれ、交換ノートなんですよね…」
もしかしてもう読んじゃってる??
あたしもう書いて、それでみなみに渡そうと思って机の中に入れっぱなしだったんだ!