好きになった方が負け
携帯を耳から離して、慶太の方を向く。


「ん?何て?」


微妙に言い出しにくいけど、龍くんが言ってるんだし…。


「龍くんがね、ドライブに誘ってくれてるんだけど…」


「ドライブ?」


「うん。慶太も…三人で」


あたしの言葉に驚いた様子の慶太だったけど、ゆっくり口を開いた。


「……いいよ。行く」


「え…?本当に?」


予想外の反応で、今度はあたしが驚いた。


本当に三人で行くの?

おかしくない…?


躊躇うあたしに気付いてか、あたしの手から携帯を取り上げた慶太。


「行ってもいいっすよ。どこ行けばいいんですか?」


その後も特に何も起こることなく、龍くんと慶太の間で勝手に進められた。


何でこんなことに…?

何を考えてるのか、よく分かんないよ。
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