好きになった方が負け
10#火花
「あっちー」


待ち合わせ場所のコンビニ前で、ダルそうな慶太。


微妙に機嫌悪い…?

なら、断ればよかったのに。


うーん…謎。


そんなとき目に写ったのは、久々に見る龍くんの黒い車。


まだ龍くんの姿を見たわけでもないのに、心臓の動きは正直で…ドキドキうるさく響く。


「お待たせ!!とりあえず乗って」


窓から覗いた龍くんの笑顔はいつも通りで、やっぱり何だか安心する。


流石に助手席には乗れないな…と思って、後部席に乗り込むあたし。


バンッ


ん…?えぇ!?


当然慶太も後部席かと思えば、まさかの助手席!!


「ちゃんとシートベルトはしろよな」


って龍くんも驚いてないし…。

違和感あるのはあたしだけ!?
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