好きになった方が負け
「はい、到着」


龍くんのその声を聞いて、あたしは外に飛び出した。

あの重い空気を跳ね退けるように。


「綺麗ーっ」


見上げた星空は、まるで宝石箱のような輝きを放ってる。

やっぱりこの場所好き!!


あたしは夢中になって眺め続けた。


どれが何座かも分かんないし、どれが北極星かも分かんない。


それぐらいたくさんの星が瞬いてる。


あ…!!

って何だー、流れ星かと思ったら飛行機だった。


でも流れ星が流れてもおかしくないよねっ。

よーし…流れ星を見逃さないようにしなきゃ!!


流れ星が流れたら、何てお願いしようかな?


慶太とのこと?

それとも龍くんとのこと?


考えたら少しだけ、胸がチクンと痛んだ。

今の素直な気持ちが分かんないや。
< 105 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop