好きになった方が負け
「おーい。コケるなよー…って聞こえてないな」


相変わらずの調子の笑美を見てると、自然と笑顔になってる俺。


「夢中になったら、回りが見えなくなるタイプっすからね」


ゆっくり車から出てきた慶太が、笑美を見つめながらそう言った。


そーなのか…?

笑美って意外といろんなこと考えてそうだけど。


慶太と違って、知り合ってまだ日が浅い俺にはよく分からない。


「ははっ!!はしゃいじゃって、笑美はかわいいなー」


子供みたいに単純で。

やっぱ笑美を誘って正解だったな。


「…………」


反対に慶太はさっきから口数が少ない。

もっとギャーギャーうるさい奴なのかと思ってたのに。


「けーたー?」


俺の彼女なのに誘うなよ!!とかって怒ってんのか?

若いねー。
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