好きになった方が負け
「バカ笑美。騒ぎ過ぎ」


コツンと笑美の額を小突く慶太。


「えー!?こんな星空見て、感動しない慶太こそおかしいんじゃない?」


ニコニコ笑ってる笑美。

慶太の前ではそんな表情もするんだな。


「うっせーな。俺はあからさまに態度には出さねぇの。大人だから」


「は?誰が大人って?」


二人を見てると、俺と朋を思い出す。

俺らも毎回いがみ合ってたっけ。


「テメーふざけんなよ!?」


「あはは!!やっぱ子供じゃん」


……って俺、何で感傷に浸ってんだ。

つか今、朋のこと普通に考えれてたよな。


あんなにずっと引きずってたのに。

何でだ…?


笑美が笑ってるのにザワザワする。

何が起きてんだ…?


慶太に言われた言葉だけが、頭の中を回ってた。
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