好きになった方が負け
「今日はありがとう!!すごく楽しかった」


「そ?それはよかった」


ニコッと笑う横顔に、ドキッとしてしまう。

この表情も好きだな…。


「本当はまた誘いたいんだけど、やっぱり止めとくべきだよな?」


「え!?何で?」


せっかく気持ちを伝えることができたのに、予想外のことを言われて驚く。

グサッと何かが胸に刺さった。


「だって明らか、慶太の機嫌悪かったろ?」


「え…でも、龍くんは友達じゃんっ」


「うーん、そうなんだけど…でも俺が慶太ならたぶん嫌だしな」


それって…もう会えないってこと?


「でも悩みとか聞いて欲しい話があるときは聞くし、俺も話があるときは連絡する」


それだけ…?

つまり龍くんは、あたしと会えなくても構わないってことだよね?


「笑美…?」
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