好きになった方が負け




ピンポーン


数分後、家のチャイムが鳴って外に出ると、本当に慶太がいた。


「公園行こ」


わけの分からないまま、あたしはコクリと頷いて慶太に従った。


少し蒸し暑いけど、気温もだいぶ下がって、あたしはこの時間が好き。

夏の夜って、それだけでドキドキする。


何の会話もないまま、ベンチに座ったあたし達。

どうしたのかなと思って慶太を見ると、丁度バッチリ目が合った。


「……っ!?お前、アイツに何もされてねぇ!?」


「は?」


アイツって龍くん?

龍くんがあたしなんかに、何かするわけないじゃん。


「もしかして…そんなこと確かめるためにきてくれたの?」


「う、うっせぇ!!で、どうなんだよ!!」


「……ぷっ!!」
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