好きになった方が負け
「笑美、まだちゃんとがんばってないよね?それなのに諦めていいの?」


「え…っ」


だって、全く相手にされてないんだよ?

がんばるって、何を?


「ま、あたしも笑美のこと言える立場じゃないけど」


「どういう意味?」


「ん?そろそろあたしも、どうにかしなきゃなーと思って」


でも確かに…あたし、いつがんばった?

本当にがんばったって言えるのは、一番最初に声をかけたときだけかも。


いつだって流れに任せてた感じだし、誰かに頼ってばっかだった。


悪いことが少しあれば、もう諦める!!って調子いいことばっか口にして。


あたし…まだ何もしてないじゃん。


今度こそ、スッキリするまで龍くんを追いかけてみようか。


そしたら自然と慶太への気持ちもハッキリする気がする。
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