好きになった方が負け
『今日暇?一緒に飯でもどう?』


「え!?」


『予定あり?なら別の日でもいいけど』


驚き過ぎて、加奈子と二人、目を見開く。


「ぜんっぜん暇です!!行きたいです!!」


『ははっ。ぜんっぜん暇か。んじゃ六時ぐらいにスーパーきて』


あたしの変な言い方を真似して笑う龍くん。

うぅー、力入り過ぎた…。


「分かりました!!楽しみにしときますっ」


『おー、じゃあ後で』




電話を切ると、しばらく無言で加奈子と見つめ合った。

無言のアイコンタクトの末、夢ではないと実感!!


「やーった!!うれし♪」


「超いい人そうじゃん!!」


キャッキャキャッキャはしゃぐあたしたち。


「うっせぇな。お前ら猿?」


その後ろから、嫌味な声がした。

香山慶太、あたしの天敵!!
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