好きになった方が負け
ヒュー……ドンッ!!


「お、始まったな」


ドンッ!!


真っ暗な夜空に咲く花火。

大きな輝きを放ち、人々を魅了する。


「……それが正解?」


「え?」


あたしだって今、龍くんを見守ることしかできてない。


それなのに、龍くんが言ったことをおかしいと思った。

違うと思った。


結局それって現実から逃げてるだけ。

そんなんじゃ何も解決するわけない。


「笑美?」


でもそれをうまく言葉にできず、声が詰まる。


そのとき!!


ガバッ


「パパー!!」
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