好きになった方が負け
「きれー♪由宇も好きっ」


「俺も大好き」


そして、更にギュッと握る手に力を加えるから、あたしの胸はドキッと音を立てた。


「由宇!!」


丁度そのとき、由宇ちゃんのパパが現れて、一件落着となった。


「お兄ちゃんありがと!!お姉ちゃんもまたねー!!」


ずっと手を振ってくれる由宇ちゃんが見えなくなるまで見守った。


「俺と服装似てたから間違えたんだな。納得」


「みたいだね。色も一緒だし」


「にしても俺、忘れねーよ。笑美のあの引いた顔」


冷たい視線をあたしに送ってくるから、思わず吹き出した。


「あはは!!だって、いきなりパパって!!」


「たぶん俺が一番ビックリしたけどな。んー…でもいつか俺もあんな子供が欲しい。笑美生んでくれる?」
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