好きになった方が負け
「まじかー」


グビッと烏龍茶を飲んだ後、龍くんは笑顔で言った。


「応援してるから、がんばれよ」


ズキッ


いつもと変わらない笑顔で”応援してる”なんて言われたら、バカなあたしでも気付くよ。

龍くんにとってあたしは、眼中にない。


分かってるけど…それでも、少しぐらい…俺のこと?って思わないんだ?


……超えなきゃいけない壁は、予想以上に高いみたい。


「で?ソイツってどんな奴?」


なーんか悔しいな。


「年上で、優しくって、カッコイイ人♪」


これなら、余裕で龍くんも入る範囲でしょ。

少しぐらい慌てて欲しいんですけどっ。


「ふーん?」


きょ、興味なし!?
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