好きになった方が負け
「ち、違うもんっ」


龍くんに会えてうれしいニヤけ顔と、食べ物を前にした顔を同じにされちゃ困る!!

そんなにあたし子供っぽい?


「てか、龍くん私服!!仕事は?」


スーツ姿もカッコイイけど、シンプルな私服もすっごい好き。

細いけど、意外とがっしりしてるし。


「今日は休み。暇過ぎて笑美に電話したぐらい。とりあえず、乗って」


そう言われて、助手席に乗り込む。

うわー、車の中までいい香り!!


「何が食いたい?何が好き?」


好きな食べ物は……


「オムライス♪」


超笑顔のあたしを見て、一瞬キョトンとした龍くん。


「……ぶっ。ははは!!超笑美っぽい」


なぜかまた笑われた。

てか、龍くんってよく笑う人だよね。


「OK!!じゃあ洋食屋で決定な?」


ジワッと動き始めた車。

ドキドキしながら、運転する龍くんを見る。
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