好きになった方が負け
カーッ


顔が赤くなるのが分かった。

お世辞だって分かってるけど…!!


「り、龍くんのたらし!!」


勝手に言葉が出てしまった。


「たらし!?失礼な!!俺はこう見えて、意外と一途なんだぞ」


あ、そうだ…。


「龍くんは…彼女…いるの?」


今日一番緊張した瞬間かもしれない。


「いなくて悪かったな!!」


ニッて笑われて、うれしくてあたしも笑顔になった。


「笑美はどうせいないんだろ?」


「どうせってひどーい!!いつかすっごい素敵な彼氏つくりますっ」


……龍くんの彼女になりたいよ。

いつか、言えるようになるかな?


「よし、じゃあどっちが先か勝負な」


もっともっと仲良くなれたら、絶対言う。

そのときまでに、あたしも素敵な女性になるから!!


「負けません!!」
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