好きになった方が負け
へ?

当然固まるあたし。


「え?あ…俺クラスメートの香山っす。笑美、彼氏いたんすね。じゃあごゆっくり」


あたしと目を合わすことなく、奥へ戻って行く慶太。


慶太が見えなくなるまで無言の龍くん。

今の何!?

胸がドキドキと大きな音を立てる。


「ははっ!!ごめん!!アイツ、笑美の好きな奴?」


「ち、違うよっ」


「そう?でもたぶん…」


最後は声が小さくて聞き取れなかった。

てゆーか、それどころじゃない!!


「ビックリした!!」


もしかして龍くんも少しはあたしのこと…?

なんて思ったあたしはバカだった。


「俺と笑美って流石にないよなー」


笑いながら軽く言った龍くん。

当たり前みたいに言わないでよ…。


期待した分だけ、心が折れた。


だってあたしたちは友達じゃんね。
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