好きになった方が負け
「あー…ダメだ。保健室行ってくる」


「先生に言っとくよ」


加奈子に伝えて、教室を出たあたし。

睡眠不足のせいで少しフラフラする。


「キャー♪慶太くんすごーいっ」


廊下に出ると、女の子に囲まれてる慶太を見付けた。

何がすごいんだか。


慶太がモテる理由は、この世の七不思議の一つだと本気で思う。


一瞬だけ慶太と目が合ったけど、無視してそのまま通り過ぎた。

今はとにかく寝たい。




ガラガラ


「先生ー。頭痛いからちょっと寝てもいい?」


「あらあら、大丈夫?夜更かしでもしたんじゃないでしょうね?」


ビンゴ。

さっすが先生だなーって、適当なあたし。


「違うよー。一時間だけ寝させて」


そう言ったときには、もうすでにベッドの中にいた。

気持ちいいー。

……おやすみ。
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