好きになった方が負け
当たり前のように言う加奈子に、一瞬頭がついていかない。


え?今何て?

てゆーか…!!


「何で早く教えてくれなかったの!?」


加奈子の両肩を掴んで、おもいっきり前後に揺らす。


「わわわっ。だーってー、気付いてないとか思わないじゃん」


……確かに。

何で今まで気付かなかったんだ?あたし。


「よし、今から行ってくる!!」


鞄を握りしめて歩き出したあたしの肩を、今度は加奈子が掴んだ。


「バカ。その人スーツ着てたんでしょ?あの日と同じ、夜じゃなきゃいないんじゃん?」


「あ…」


そっか。

そりゃそーだ。


「しっかりしなよ」


あたしを見ながら笑う加奈子。

加奈子はちょっとサバサバしてるけど、信頼できる親友。


こういうときは、本当に頼りになるよね!!
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