好きになった方が負け
二人の視線があたしに集中する。


「まーた若い子捕まえたね」


「龍也、バカだから大変でしょ?」


あたしにまで優しく微笑む二人。


「あ、えっと…」


誤解だと伝えようとしたあたしの言葉を、龍くんが遮った。


「お前ら笑美に余計なこと言うなって」


あれ?否定しない?

妙な胸騒ぎがした。


「でも安心した。ほら、朋が結婚するでしょ?龍也死んでんじゃないかって噂してたんだよ」


朋…?


「バーカ。俺も大人になってっから。ほら、お前ら邪魔ー」


シッシッと手で二人を追い払う。


「はー!?ま、いいけど。たまには集まりにきなよ?」


「分かった分かった」


笑ってるけど、その表情はいつもの龍くんと少し違った。

何か…あるの?
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