好きになった方が負け
「今の、大学のサークルで一緒だった奴ら。うざいだろー?」


笑いながら説明してくれた龍くん。

あたしは恐る恐る口を開いた。


「朋さんって人も…?」


「……そ。最近忙しくて会ってないけど」


やっぱりおかしい。

でも…あたしにはそれを聞く資格も、勇気もなかった。


「あ、あたし飲み物買ってくるねっ」


一息つきたくて、龍くんから離れた。

あたしじゃ役には立てないのかな…?


「おいバカ笑美!!買わないならどけよ」


振り返るとそこには慶太。


「邪魔」


そう言われたけど、あたしは何も言わずに黙って避けた。

今はいつもみたいに言い返す気力もない。


「笑美…?」


不思議そうに慶太があたしの名前を呼ぶ。


慶太に言っても変わらないのに、今は誰かに助けて欲しいと思ってしまう…。
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