好きになった方が負け
「ちょっと!!離してよっ」


慶太の手からやっと解放されたのは、さっきの子達が見えなくなってから。

強引過ぎて腕痛いし、気まずいし…もう最悪!!


「つか、お前こそ何?避けてんじゃねーよ」


ジッと真っ直ぐ睨まれる。


「さ、避けてないし!!勘違いしないで。用がないならもう帰るっ」


強がりもバレバレなんだろうけど、認めたくなくて…つい見えを張った。


慶太に背を向けて帰ろうとしたとき……


「謝らないからな!!」


大きな声が響いた。

仕方なく振り向くあたしに、慶太が言葉を続ける。


「昨日のこと…俺は謝らないから」


「え…?」


昨日のって、キスのこと?


「彼氏がいるとか、お前に好きな奴がいるとか…そんなこと関係ねぇ」
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