好きになった方が負け

結局課題は進まず、授業中の提出に間に合わなかった。


しかもこういうときに限って、できてないのあたしだけ。

皆の分のノートを運ぶように言われてしまった。


「重…っ」


はぁー…。

まじでツイてない。


全員分のノートを抱えて歩き始めると、早速障害が。

何でドア閉まってんの!?


「嫌がらせ…？」


諦めて、一度ノートを置こうとしたとき。


「先に確認しとけよ、バカ」


後ろから伸びてきた出が、ガラッとドアを開けてくれた。

タイミングよく現れた慶太に、また少しだけドキッとする。


「ありがとうは？」


「うっ…ありがとう。て、てか!!男のくせに、このノート見て助けようと思わないの!?」


どうしてか、かわいく終われないあたし。

嫌味言ってるし。