好きになった方が負け
な、何なのよ…っ。


あたし絶対今顔赤い。


だって…知らなかった。

ギュッとされた腕が、意外と力強くて…ビックリした。


「笑美?」


あたしが全く動かないことに気付いて、やっと振り返った慶太。

顔が見えない…!!


「も、持ってくれるなら全部持ってよね」


「は?」


や、ヤバイ。

流石にキレられるかも…っ。


あたしって何でこうなの!?ってビクビクしてたのに…。


「バーカ。俺が一人で運んだって意味ねぇだろ」


ニッて珍しく笑ったかと思ったら、また歩き始めてしまった。


「……何?」


あたし何で、こんなドキドキしてんの…?


相手はあのバカ慶太だよ!?


ありえないでしょ。
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