好きになった方が負け
「それ失礼!!あたしだって悩み事あるもん」


「まじで!?例えば?」


別にいいけどさ、何でそんなに驚くかな…。


「うーん…あ、テスト近いの!!さっきまで勉強してたし」


「嘘!!もしかして俺邪魔した?」


「した♪これであたしの夏休みなくなったら、龍くんのせいだからねっ」


もちろん冗談なんだけど、あたしの成績が危ないのは事実。

勉強嫌いなんだもん!!


「えぇ!?それは困ったな。んー…じゃあ欠点なかったら、笑美の行きたいとこどこでも連れてってやる」


だからがんばれよって、笑う龍くんの横顔にまたドキドキする。


「どこでも!?ほんと!?」


「おー!!俺は約束を守る男で有名だからな」


「あはは!!それ逆に嘘くさいよ」


あたし達はしばらく、いつものくだらない会話で笑い合ってた。

あたしはこの温かい雰囲気と時間、すごく好き。


「はい、到着」
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