好きになった方が負け
「今日暑いから俺、アイス食いたい」
「……一人で食べれば?」
放課後、本当に一緒に帰るはめに…。
どうすればいいの!?
「お前最近更に冷たいな。まさか彼氏にもその態度?」
彼氏、彼氏って……
「龍くんとは付き合ってないから」
いい加減誤解は解いとかないとね、あたし痛い子じゃん?
どんな罵声が飛んでくるかと思ったのに、慶太からは反応がない。
不思議に思って隣を見ると、さっきまでそこで歩いてたはずの慶太がいない!!
そしてそのまま振り返ると、慶太は固まって立ってた。
「慶太?」
あたしの呼びかけで、ようやく息をし始めた慶太。
ツカツカと早足で向かってくる。
「バカ笑美!!何でそれを先に言わねぇ!?俺クッソだせぇじゃん!!」
いや、ダサいのはむしろあたしじゃ…?