好きになった方が負け
「ありがとうございましたー!!」


チラ見しまくって、気付けばそのまま見送っているあたし。

自動ドアの外を歩いて行くあの人。


「し、しまった…」


結局何もできず立ち尽くす。


どうしたらいいかなんて全然分かんないけど、でもこのままじゃダメな気がする…!!

これで二度と会えなくなったら、絶対嫌だし!!




急いであの人を追いかける。


相手にされないかもしれないし、引かれるかもしれない。

でも、じっとなんてしてられない!!


動かなきゃ、恋は始まらないんだから!!


外に出ると、丁度車に乗り込もうとしてるあの人を見付けた。


「あのっ…!!」


すがる思いで声を出す。

あたしのこの気持ち、ほんのちょっとでも届きますように…!!


とにかく無我夢中だった。


本気で恋をしたからこそ、あたしは動けたのだと思う。
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