好きになった方が負け
「全部。アイツ以外ありえねーんだって」


ドキッ


直接言われたわけではないのに、顔が真っ赤に染まる。


「だから悪いけど、もう関わらないでくれる?」


また挑発するように、冷たく言い放った慶太。


パンッ!!


「最低!!」


一人の女の子が、慶太の頬をおもいっきりひっぱ叩いた。


「アンタなんかもう知らない!!皆行こっ」


そしてぞろぞろと教室から出て行く女の子達。

それぞれが慶太の文句を言いながら。


「大丈夫!?」


あたしはすぐに慶太に駆け寄る。


「不器用過ぎだよ、バカ」


笑いながら加奈子も近付いた。


「うっせーな。つか、覗いてんなよな」


不器用?

何のこと…?
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