好きになった方が負け
「……これから家に遊びにこない?」
そんなことを言われたのは、慶太と付き合い始めて二週間が経とうとしてたとき。
「うん♪慶太ん家行ってみたいっ」
あたしはいつもより少しだけ、テンション高めに答えた。
「ん。じゃあ決まり」
学校の帰りはほとんど毎日一緒だし、デートだってした。
人から隠れて、キスだっていっぱいした。
相変わらず口は悪いけど、すごく大切にしてくれてるのが分かる。
「家誰かいる?」
「母さんがいるだけ」
お、お母さんか…。
「何?緊張してんの?」
「当たり前!!嫌われないようにしなきゃ」
「バーカ。笑美を嫌うような親じゃねーから」
慶太が笑ってくれたから、少しホッとした。