好きになった方が負け
「ただいまー」


ガチャッと鍵を開けて、家に入って行く慶太。


「お、お邪魔します」


とりあえず脱いだ靴を端に揃えて置いた。


「ちょっと待ってて」


慶太に言われ、おとなしく玄関で待つ。

感じよく挨拶しなきゃね!!


ドキドキしながら待ってると、リビングらしき場所から戻ってきた慶太。


「……誰もいねぇ」


「え?」


「母さんすらいないんだけど」


てことは、この家には今…あたしと慶太だけ!?

慶太も少し複雑そうな表情を浮かべてる。


「そのうち帰ってくるとは思うけど…とりあえず部屋行く?」


「え?あ、うんっ」


さっきまでも緊張してドキドキしてたけど、今度は少し違う意味で緊張してドキドキする…。
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