好きになった方が負け
「はぁ…はぁ…今のずりーっ」


隣に倒れた慶太は、うれしそうに笑ってくれた。


「笑美、もう一回言ってよ」


「え?…何を?」


スッと伸びてきた慶太の手が、あたしの頬に優しく触れる。


「……好きって言って」


ドキッ


うー…慶太こそ!!

そんな表情ずるい!!


「笑美…」


あたしの名前を呼びながら、頭を撫でてくれる慶太。

慶太のこういうとこが……


「好きだよ」


そして次の瞬間…慶太の顔が近付いてきて、静かに唇が重なった。


「俺も好き」


それからあたし達は、夢中で唇を重ね合った。


お互いの気持ちを確かめ合うように。

お互いの存在を確かめ合うように。
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