好きになった方が負け
会って声を聞くだけで、笑顔を見るだけで気持ちが溢れる。

でもこれは言ってはいけない気持ち。


龍くんはまだ朋さんが好きで、あたしの気持ちなんて迷惑なだけ。


言って今の関係が壊れてしまうなら、あたしは絶対に言わない。


そしてこの気持ちを慶太に向ける。

あたしが好きなのは慶太、そう思い込む。


友達でいいから龍くんの側にいたい。


そのために邪魔なこの気持ちは、全部全部慶太に注ぐ。


でもね、ちゃんと慶太のことは好きでいたい。


複雑だけどこの気持ち、慶太なら分かってくれる。

だから付き合える。




いつか、この気持ちを忘れられるときがくる。


そしたら堂々と龍くんの側にいよう。


慶太の彼女で龍くんの友達…きっとこれが一番の関係。


だって、龍くんの気持ちがあたしに向くことなんて、ありえないことだから…。
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