好きになった方が負け
「でーきた!!」


我ながら力作!!

砂糖を少なめにしたり、慶太用に特別アレンジもした。


もう夕方だけど…今日バイトあるのかな?


んー…せっかくだったら驚かせたい。

連絡せずに、とりあえず慶太ん家行ってみよう。


かわいくラッピングしたクッキーを、鞄にそっと入れる。


「…………」


誕生日でも記念日でもないのにクッキーって…。


冷静に考えると恥ずかしい。

今までのあたしには考えられないことだ。


でも!!今までと同じことしてたって、意味ないもんねっ。


勇気を出して立ち上がり、慶太の家を目指す。


喜んで…くれるかな。


家の前につき、ドキドキしながら慶太に電話する。

すると、ワンコールも鳴らない内に慶太が出た。


「……もしもし?」
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