君色の夢に恋をした。
「…ねぇ、何があったの??」
『……。』
「…さっき、何かにうながされながら、涙をこぼしていたよ??」
翔の、その真っ直ぐな目は苦手だ。
私の汚れた瞳とは違う。
純粋で純白で、
全てが見透かされてしまいそうだった。
『…何もないから。』
「そんなはずない!」
気づいていた。
もう少しで、喉の奥から封印したはずの感情がこぼれだしそうなのを。
きっと、このまま優しくされたら、
――私は全てを翔に預けてしまうだろう。