君色の夢に恋をした。
「…んー。それはねー。」
翔が何かを考えるように、空を見上げる。
そして、バサッと髪を掻き上げた。
「…黒川 香奈恵って子、知ってる??」
「早口のクラスメートなんだけど。」と付け足しながら、再びこちらを見る翔。
そんな翔を、まばたきをしながら見つめ返してしまった。
黒川、香奈恵…。
聞いたことあるような気もするが、顔と名前が一致しない。
極力人と接するのは避けていたし、
興味もなかったから…。
まだクラスメートの顔を覚えていないのだ。