君色の夢に恋をした。


ふと、翔と目があう。


翔は逸らしたりせずに、こちらをジッと見ると、

いつもの爽やかスマイルを見せてくれた。



――今なら、

私も素直に笑える気がする。



「……っ!!」



翔が驚いたように、声にならない声をあげる。



それもそのはず。


私は骨格をあげて、

今までにないってぐらい、自然な笑顔を翔に見せたから。




…いつぶりだろう。
心のそこから笑ったのは。


『笑う』ってこんなに気持ちがいいものだったんだ。



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