君色の夢に恋をした。
「この絵さ、切なさとか悲しみがよく表されていて、すっごい良いと思う。」
「……。」
「だけどさ、“光”っていうのかな?
悲しみってのは、悲しいだけじゃない。
いつだって希望が隣合わせなんだ。
この絵は、それが欠けてると思う。」
否定するわけでもなく、サラリと自分の意見を言って見せて。
嫌みに見えない笑顔で、ニコリと笑う。
そんな姿に、私はただただ、たじろぐことしかできなかった。