君色の夢に恋をした。
「よっしゃぁ!!」
何がそんなに嬉しいのか、ガッツポーズをする翔を、優しく見つめる。
そんな些細な行動さえ、翔は一歩ずつ、
夢に進んでいってる気がした。
「あっ、絵。
ちょっと見せてよ…。」
『えっ、ちょっと…。』
慌てて立ち上がっても、もう遅い。
すでにキャンパスは、翔のそのたくましい腕に、遠ざけられていた。
「…これ!」
翔が驚いたように声をあげる。
私は恥ずかしくて、思わず俯いた。
バレたかな…??
この絵のモデルは『翔』だって…。