君色の夢に恋をした。


戸惑うような私を見て、祐二くんは微かに微笑み頷いた。



「…お前がいいんだよ。

翔を支えてあげて。」

『…でもっ、私以外にも、黒川さんとかいるのに!』



どこまでもしつこい私に、祐二くんは


「まだ言うのかよ」って呟きながら、こちらを向いた。



「…黒川には、チケット、俺が渡すから。」



そう言った祐二くんの首筋は、赤く染まっていて。


下を向いた顔は、照れたようにも見える。


< 241 / 352 >

この作品をシェア

pagetop