君色の夢に恋をした。
その声で、その笑顔で
キーンコーンカーンコーン
―…授業の終わりを告げる、チャイムがなる。
これで、全部の授業は終わり。
だからこそ、絵を書きたい、筆を握りたい、そんな気持ち一心な私は、誰よりも早く帰りの支度をして。
いつものように誰よりも早く教室を出る。
……はずだったの。
「はっ、早口さん!」
それは、突然だった。
ふいに緊張したような声の女の子から、話しかけられて。
私は『何?』とは言わない代わりに、視線だけをチラリとそちらに向ける。