君色の夢に恋をした。


…さすが美術の先生。

やっぱり、指示は的確だ。


キャンパスの暖色のなかに上手く馴染む青をみて、ふと感じてしまった。



「…うん!これでよし!

いい感じだよ!」



そう言いながら、柏木先生が私に微笑む。


その眩しい笑顔は、どこか太陽に似ていた。


翔とは、また違う太陽。



きっと人に幸せをあげられる人って、笑顔が優しい。


内面からにじむ優しさが、笑顔に現れてるんだと思う。


そんなこと、柄にもなく思ってしまった。


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