君色の夢に恋をした。



「……じゃあ私、いくから。」



それだけ伝えた私は、足早で女の子たちを後にする。



後ろでは、「1人で可哀想だから、誘ってやったのに。」とか、

「あんな言い方なくない?調子乗ってる」とか、くだらない言葉が聞こえてきたけど。


もちろん、聞いてないフリ。




――「1人で可哀想だから」。


別に頼んでもないし。そんな同情、いらないし。
私には友達なんかいらないから。



私は自分で決めたの。

もう大切なものは作らない、って。





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