君色の夢に恋をした。


『…ありがとうございます。』



にわかに、顧問に微笑みかける。


いつか、満面な笑顔で柏木先生と笑い合えたらいいな…


そんなことを思いながら、私は筆を床に置いた。



――これが高校生活、筆を持った最後の瞬間になるとは知らずに。



「タイトルは決めたの??」



無邪気に笑いかけてくる柏木先生に、私は曖昧な笑顔を返す。


まだ、決まってないんだよね…


てゆうか、さっき決めてた途中だし。


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