君色の夢に恋をした。
わかってる。
わかってるんだよ。
でも夢を失った私には、翔までを失うなんて考えられなくて…。
どうすることもできないの。
「…早口、お前しかいないんだよ!!」
『……。』
「俺が何いっても、翔は譲らねぇ。
頼む!頼むから。
早口が背中を押してやってくれ!!」
こんなに取り乱している祐二くんは、初めてだった。
それぐらい、翔のことを思っているということ。
『…私だって、できるならそうしたいよ。』
でも、今の私には背中を押すことができない。
心から応援できないの。