君色の夢に恋をした。




「―――…早口?」



今思えば、この時から私を光へと連れていってくれるのは、翔だったんだと思う。



「……。」



重たい、瞼を上げた。

なぜだか、身体が重たくて。ココロが、チクリと痛い。


目を開けた先に一番に飛び込んできたのは…、



「…なんで、いんのよ。」



翔の、整った顔。



思いかげない情景に、私はそのままの格好で後ずさりする。



「離れてよ!」



意味わかんない。
意味わかんない!


驚いた。


だって、起きたら一番に、翔の顔が見えたんだもん。
吐息がかかってしまうくらい、至近距離に翔がいたんだもん。



本当にこういうの、…やめてほしい。



< 45 / 352 >

この作品をシェア

pagetop