君色の夢に恋をした。
「…早口、前にも言ったけどさ。」
「……。」
「光と暗闇って、隣り合わせなの。」
翔が、ポンとその場にあった石を蹴り飛ばす。
その石がきれいな放物線を描いたのを見て、翔は微笑んで。
それから、私を真っ直ぐ見ながら、こう言った。
「――例えば、ついさっき両想いになったカップルがいるとするじゃん?」
「……。」
「そのカップルって、周りから見たら、…いや、本人たちから見ても、幸せの絶頂なんだけど。
だけど、俺はそうとは思わない。」
「……。」
「だって、2人でいれる幸せを手に入れたと同時に、別れがいずれくる不幸を手に入れたってことでしょ?
それって、なんか凄く寂しい気がするんだ。」