君色の夢に恋をした。
私のカバンの紐を引っ張ってきたのは、なんとなく想像はできたけど、翔に告白していた女の子。
目はどこか潤みつつも、キッと私を睨みつけて。
カバンの紐を離そうとしない。
…もう、本当になんなの?
私は早く絵を描きたいっていうのに…。
なんていうか、今日は厄介な日。
…そんなこと思いながらも、一度下に向けていた視線をもう一度、カバンを掴んでくる少女に向ける。
カバンの紐を掴む強さは、徐々に力が増しているようだった。
「なんで…っ、アンタなのよ!!!」
雷みたいな、声だった。