君色の夢に恋をした。
一生懸命、私を睨み続けて。
憎しみとか悲しみとか、腹の底にあったものを全部放り出したような、声。
なんでアンタなのよ、って…。
意味わかんない。
『……。』
…もういいや。
よくわからなし。
こういうのは無視するに限るし。
さっさと美術室に行こう。
『……。』
そう思ったのに、いくら足を動かしても前に進まない。
原因は…、さっきから掴まれたままのバックのひも。
『…離してくれる?』
言葉を交わす気は極力なかったけど。
そうでもしなければ離してくれなそうだから仕方ない。
私は嫌々と彼女に声をかける。