君色の夢に恋をした。
心の扉を開けるため
「早口さん。」
いつものように、絵を描いていた時だった。
糸のようにか細い、よく聞いたことある声が頭上から聞こえて。
私は面倒くさいながらも、静かに顔を上げる。
そして私の前に立っていたのは…、顧問の姿。
『……。』
当然、私は言葉を返すことなく、視線だけを顧問に向ける。
顧問は緊張してるのか、顔が少し強張っていた。
「えっと…、ちょっとだけ私と場所を変えて、お話しない??」
『…は??』
予想外の言葉に思わず漏れてしまったのは、私の間抜けな声。